期成同盟の役員ら12人がARK(大阪府能勢町)の動物保護救援施設を視察し、飼育の実態について話しを伺いました。

NPO法人・ARK(アーク)を訪ねて     2007/11/16



11月16日、大阪府豊能郡能勢町の自然豊かな山間にある、会員制動物救援組織ARK(アーク)を伊井・酒波地区住民12名とともに訪ねました。
ARKとはAnimal Refuge Kansai 特定非営利活動法人アニマルリフュージ関西の略称です。
「アークは非営利、非政治の私設団体であり、動物を愛し、共に生き、積極的に救いの手を差しのべようとしている人達のネットワークをつくることを目的としています。また日本での動物の権利を主張し、動物の問題を国内的にも、国際的にも改善し、真に効力ある動物保護法の設定のために活動する会員制動物救援組織です。アークは、1999年8月にNPO(特定非営利活動法人)団体として承認されました。」(ARK紹介リーフレットより)

所在地:大阪府豊能郡能勢町野間大原595
代表者:エリザベス・オリバー氏(Ms.Elizabeth Oliver)
活動歴:1990年より犬猫の救援活動を始め、今年で18年目になる。アークの設立者であるオリバーさんは30年前に母国イギリスから日本に来られ、20年前に現在地に移り住み、以来アークの代表者として活動を続けられている。
施設概要:敷地16ha(賃借)、本館建物1棟、獣舎多数
    本館内設備:事務室、診察室、シャンプー及びトリミング室、一時保護室(犬猫各1室)、職員食堂兼、訪問者等の談話室、ドッグフード、医薬品、その他備品等保管室、休憩室等。
給排水設備:上下水道設備なし、飲料水・犬猫は井戸水、人はペットボトル。排水設備は浄化槽3ヶ所。尿は専用の浄化槽で浄化し川に放流、糞はすべて回収し処理業者に依頼(月40ℓ袋400袋、処理費用14万円/月)
収容能力:犬300匹、猫200匹、その他ウサギ、キツネ。(詳細別紙資料)
    過去18年間の保護・救援総数・2007年10月末現在:2,718 頭
    内訳:Rehomed(里親)・2,077頭、Euthanized(安楽死)・305頭、
    Died (死亡)・87頭、Escaped(逸走)・15頭。
スタッフ:職員30名、ボランティア10名以上。
医療体制:非常勤獣医師2名(毎週1回、2週間1回)
    猫の避妊手術は本館診察室で行うが、犬については外部動物病院にて避妊施術を受けた犬のみ受け入れている。捨て犬等保護した場合2週間以内に避妊施術を施すことを原則にしている。

運営資金:基本的には個人よりの寄付金、現在のスポンサー数600名。その他カレンダー販売など事業活動による収入がある。カレンダーは毎年18,000冊を1,000円で販売するが、得た利益はほとんど病院費用に消えるとのこと。(病院費用1,000,000円/月)
2007年度会計報告(2006年4月1日~2007年3月31日)(詳細別紙資料)
収入の部:
一般会費・寄付金…99,817,455.-
カレンダー売上……16,624,840.-
そ の 他収入…… 4,504,036.-
収入合計   121,036,331.-
支出の部:
給料・スタッフ諸費……52,721,071.-
旅費・交通費……… 7,856,164.-
水道・光熱費……… 1,938,220.-
賃 借 料 ……… 7,922,550.-
動物医療費 ………11,551,802.-
ニュースレター印刷費………5,694,670.-
そのた経費 ………17,163,398.-
支出の部  104,847,875.-
当期収支差額 16,188,956.-
前期繰越額    49,451,874.-
次期繰越額 65,840,830.- ※

感想:300頭もの犬猫を飼育する施設を目の当りにして、その凄さに圧倒されてしまった。しかし同時に18年もの長きに渡って、2,718頭もの不幸な犬や猫を保護・救援されたこと、そして日本においては、まだ実効ある動物保護に関する法整備が十分なかった時期から保護救援の活動に、まさに生涯を掛けるがごとく取組んでこられた、アーク代表のオリバーさんをはじめ多くのスタッフ、ボランティア、そして、支援されている多くのスポンサーの皆さんに心から敬意を表せずにはおれないと言うのが偽らざる感想です。
  そして、捨てられたり、何らかの事情で飼い主がいなくなった不幸な動物たちを保護救援するという行動は、生半可な気持ちでは絶対にできない。強い意志と信念、徹底した動物に対する奉仕的精神がなければ絶対にできないし、「犬大好き猫大好き」程度では長続きはしないと思った。

  感情的な個人的感想はさておき、多頭飼育施設に初めて足を踏み入れての客観的な感想ですが、まずは、 
① 犬の鳴き声について、やはり半端ではなかった。100メートルほど手前にマイクロバスが到着した瞬間から一斉に鳴き出し、約1時間の間鳴きっ放し状態。オリバーさんの話では、夜はほとんど鳴かないそうです。AA林代表によると「餌の前になく程度で犬は殆ど吠えない」はでたらめだったことが良く分かった。具体的な対策もないままの犬の持ち込みはやっぱり容認できません。
② 次に臭いですが、11月という時期にも拘わらず、やはり犬独特の臭気は消しようもないということです。夏の時期を想像するとやはり周辺では我慢できないのではないか思います。アークの施設から一番近い民家で300メートルは離れているようなのでその当たりの苦情は今までになかったようでした。しかし、伊井・酒波は事情が違います。施設の敷地の広さも比較になりません。
③ 毛に飛散ですが、冬毛が抜ける春先など生え変わる時期にトリミングやブラッシングをしっかりしてやることによって周辺への飛散を最小限にしているとのことでした。AA林代表が「毎日シャンプーしてブラッシングも毎日してやる」と言っていたことをお話すると、「そもそも毎日なんてやれっこないし、やり過ぎると皮膚を傷めて、犬の虐待になる」笑っていました。
④ 糞尿の処理については施設真横を流れる川の下流の住民から苦情があり、浄化槽を最終的に3ヶ所設置、犬の尿についてはコンクリート土間に排水溝を設け専用の浄化槽にて浄化し、川に放流している。その際洗剤等は使用せず水で洗い流している。また、糞についてはすべて回収し、処理業者に依頼し処理しているとのことでした。ただし散歩は周辺の山に連れて行き、オシッコを自由にさせているようですが、言うまでもなく、伊井・酒波地区周辺を散歩させるのと事情が全く違うし、伊井・酒波地区には犬を2~3頭連れて、散歩させるような場所はありません。地下浸透は論外で、あくまで施設内で糞と尿を別々に処理させること。尿の処理方法については、尿専用のピットを設置し、排水溝を設けたコンクリート土間でさせてピットに集め、処理業者にバキュームで回収させ処理させるようにすべきではないか思います。その際洗剤や消毒液を使ってもピット方式なら混ざり合っても問題はありません。浄化槽にすると、尿、糞まで投入し、洗剤・消毒液と混ざり合い浄化しないまま、命の水・用水路に流れ込む危険があります。地下浸透に固執するAA林代表のやり方には断固反対しなければなりません。
⑤ 収容施設そのものについて、結論から言うと、アークの施設と比べて、AAの「滋賀シェルター」は、そもそも、多頭の犬を保護・救援し、里親が見つかるまでの間、必要な医療を施し、1頭1頭気を配りながら、飼育するに相応しい施設になっていないということです。動物取扱責任者の配置は拒否、施設内に診察室を設けることも拒否、獣医師についても3名の獣医師の名前が挙がっているだけで、何方がどれだけの頻度でやってくるのか、どういう医療行為をするのか等、全く明らかにしていません。要するに、AAの施設は写真でしか見ていませんが、見た方々の話では、フェンスを新に設置していることと、入口のゲートにオレンジ色のペンキが塗られたこと、既設の建物内のリホームが多少成されていること、そして、コンクリート土間が作られているという程度で、AAのHPで「滋賀シェルター」建設募金の訴えに記載されている、施設建設の概要、総工費7800万円(予備費800万円含む)という工事計画から見ても、計画通りの工事がなされていないし、動物愛護管理法で決められている、基準には程遠い状態だということです。アークはAAと同様に非営利の私設団体ですが、特定非営利活動法人として大阪府の承認を受け、動物愛護管理法に基づいて施設の基準をすべて遵守しています。しかし、AAの林代表は「非営利だから動愛法は守らなくて良い」との主張を繰り返し動物愛護管理法の遵守を尽く拒否しています。アーク代表のオリバーさんは別れ際にいみじくも「林代表は必ず地元住民とトラブル(問題)を起こす」と言われましたが、以上のような施設の状況のままで、多頭の犬を、ましてや、病気の犬を受け入れることは絶対に出来ないという思いを強くした次第です。
⑥ 最後に「ARK(アーク)」と「アーク・エンジェルズ」との関係についてですが、別紙ARK提供の「アークエンジェルズについて」を読んでいただければ分かりますが、アークとは異なる団体です。そもそも「アークエンジェルズ」という名前は、3年ほど前に、林氏よりアークに「犬の一時預かりをしてもいい」との申し出があり、これに対して、オリバーさんが犬の一時預かりの活動に参加していただく人達に付けた名前だそうです。しかし、結局、林氏は犬の一時預かりをしないまま「アークエンジェルズ」の名前だけを使用して活動をはじめたというのがことの真相のようです。これに対してアークは2007年7月初旬、アークエンジェルズに対し、「アークエンジェルズ」の名称使用指し止め請求の訴訟に踏み切りました。2007年に第1回の口頭弁論が開かれました。

因みにARKは英語で(ノアの)箱舟の意味で、アークエンジェルズで天使の箱舟ということになりますが、NPO法人の「ARK」は前述の通りです。







「アークエンジェルズ」について



 アーク(アニマルレフュージ関西)と林俊彦氏が主宰する「アークエンジェルズ」は、異なる団体です。

 アークエンジェルズの林氏は、もともとアークをサポートしたいとして関与され、林氏より、自分は一時預かりができるボランティアが沢山いるので、アークの犬たちを一時預かりしてもいい、との申出がありました。

 従来アークの代表者オリバーは、一時預かりをしてくださるボランティアの方には、アークに来ていただき、アークがどういった活動をしているのかを理解していただき、またその方が一時預り者として適切な方か審査させていただいて、登録をさせていただき、必要な時はその登録をした方にお顔いをするとの考えがありましたので、林氏のお話を受けて、アークの一時預かりの活動に対して「アークエンジェルズ」という名前をつけました。

 アークの活動の下で、林氏がアークエンジェルズの名前で一時預かりの活動がなされるものと考えており、林氏に対して、アークエンジェルズに参画して頂ける方々のアークへの情報捷供やアークでの活動への参画を求めましたところ、林氏からは、それはさせられない、と言われ、結局一時預かりはないまま、林氏がアークと関係なアークエンジェルズの名前を使用して活動をしております。

 林氏がアークエンジェルズの名前で活動しているため、アークとアークエンジェルズが同じ団体だと誤認される方もおられますので、アークとしては林氏に対して、アークエンジェルズの名称の使用の差し止めを求めておりますが、林氏はこれを拒否して使用しております。

 上記次第により、アークと、林氏のアークエンジェルズの名称を使用しての活動には関係がありませんので、その旨、ご理解の穣、お願い申し上げます。

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 アークは2007年7月初旬、「アークエンジェルズ」に対し、「アーク」の名前を無断使用する「アークエンジェルズ」の名称使用差し止め請求の訴状を大阪地方裁判所に提出し、2007年9月10日に第1回口頭弁鎗が開かれました。今後、アークは「アークエンジェルズ」に対して、名称使用差し止め請求を行っていきたいと思っております。